リスクマネジメント部 保安統括グループ
グループ長 竹村 正春 様
リスクマネジメント部 保安統括グループ
石川 元春 様
リスクマネジメント部 保安統括グループ
野島 満春 様
コスモ石油株式会社 様
事業内容
原油・石油製品の輸出入・精製・貯蔵・販売等
従業員数
1,395名(2024年3月31日現在)
コスモエネルギーグループの供給部門を担う事業会社として、原油・石油製品の調達から生成・販売までを担うコスモ石油株式会社。コスモ石油7事業所の保安業務を統括するリスクマネジメント部の竹村様、石川様、野島様が、年々増加する熱中症の発生を根本的に改善するために導入したのが熱中対策ウォッチ カナリア Plusでした。導入時の課題背景や導入経緯、効果についてお伺いしました。
まず、コスモ石油様の事業内容を教えていただけますか?
コスモ石油は、コスモエネルギーグループの中核会社として、主に原油の調達から石油製品の製造、
輸出入を行っており、千葉・四日市・堺の3つの製油所と関連する事業所において、日々安全操業・安定供給に取り組んでいます。私たちの部署では、各事業所の事故や労働災害の撲滅を目指し、安全管理活動を推進・支援しています。
熱中症対策に本腰を入れるようになったきっかけを教えてください。
全国的な熱中症発生件数の増加が背景にあります。当社でも数年前から熱中症の件数が増加しており、
地域特性を踏まえて、本社で統一した対策を講じる必要性が急速に高まっていました。
熱中症は決して軽視できない疾患です。発症直後は「軽い症状」と見られても、その後急激に症状が悪化し、最悪の場合は死亡に至る可能性もあります。夜間や発症翌日に命を落とす事例も取り上げられており、「発症しても、応急処置をすれば問題ない」という考えを払拭する必要があると感じていました。
また、気候変動による将来的な気温上昇の懸念があるなか、“安全の基本は「いのち」を守ることであり、「誰も傷つかない、誰も傷つけない。」”というトップメッセージの発信があり、構内で働くすべての人において「熱中症ゼロ」とする全社的な行動のきっかけになりました。
カナリアの導入を決めた理由を教えてください。
熱中症対策を「環境要因」と「個人要因」の両面から捉えるという考え方に共感したのが大きいです。
従来は暑さ指数(WBGT)を基準にして作業管理をすることが主流でしたが、これだけでは個人の体調や体質に起因する熱中症を予防することは困難でした。
リスクアセスメントの基本的な考え方に「検知」と「防護」があります。まずはリスクを「検知」する仕組みがないと、その後の対策(防護)は十分に機能しません。
カナリアは、熱中症の発症を引き起こす深部体温の上昇を検知し、発症リスクが高まる前に警告してくれる仕組みです。この「事前に検知する」ことができると、休憩して体を冷やすという対策が十分に機能します。また、手頃な価格と運用の簡便さも決め手になりました。協力会社を含めた数千人規模の作業者に展開することを考えると、現実的な選択肢でした。
カナリアを導入してどのような効果がありましたか?
2024年に大規模な定期整備のあった2つの事業所を含む計7つの拠点でカナリアを導入しました。
すべての拠点において、カナリアを着用した作業者の熱中症発生件数はゼロで、目標を達成することが
できました。
特に効果が顕著だったのが「タンク開放検査」という過酷な環境での作業です。タンク内部は過酷な作業環境になることもあり、これまでは無理して作業を続けてしまうケースがありましたが、カナリアのアラームが鳴ることで「今すぐ休憩を取るべき」という行動に自然とつながりました。
さらに、従業員や協力会社の作業員の意識にも変化が見られました。
これまでは「自分だけ休憩するのは申し訳ない」と遠慮する声が多かったのですが、アラームが鳴ることでチーム全体が「無理をしない」雰囲気に変わりつつあります。また、カナリアを装着しているだけでも「熱中症に気を付けよう」という意識が自然と高まっています。
協力会社の皆さまがいてくれるからこそ、コスモ石油は安全・安心なエネルギー供給を行えています。
そのため、皆さまが健康で安全に働ける環境を整えることは、私たちの責任だと考えています。
今回、カナリアを導入したことで、従業員だけでなく構内で働くすべての人の安全意識が高まったと
感じています。
カナリアの継続導入に加え、データ分析サービス「見えるんです」を翌年の対策検討に活用します。
この分析サービスでは、使用期間中のログを基に、熱中症リスクが高い職種や時間帯を定量評価できるため、職種ごとの休憩ルールの設定や作業環境の改善に取り組んでいきます。
熱中症対策は、単なる安全管理の一環ではなく、作業効率や現場全体の生産性向上にもつながる重要な
取り組みです。今回の導入により、協力会社の作業者におけるアラーム発報が多いことを改めて確認できたこともあり、構内で働くすべての人が安心して働ける環境づくりを目指し、取り組みを深化させていきたいです。
まとめ
コスモ石油様では、カナリアの導入によって「個人要因」に着目した新しい安全対策が実現し、作業者の安全意識と行動に大きな変化をもたらしています。「協力会社の皆さまがいてこそ、私たちの事業は成り立つ」という同社の姿勢が、この成功を支えたと言えるでしょう。この事例が今後、より多くの企業に広がることを期待しています。