001 CNRIA

Interview

「真面目な職人」が無理をしすぎない文化へ
日々の対話とテクノロジーで守る、創業100年企業の安全管理

Safety Management at a 100-Year-Old Company,
Sustained by Daily Communication and Technology

Client:
東亜道路工業株式会社 様
関東支社 横浜工場 工場長
小池 俊也
関東支社 横浜工場 製造課長
大木 敏弘
東亜道路工業株式会社 様
事業内容 道路建設事業、製品販売事業、スポーツ・景観事業、<br />
土木事業、環境事業、コンサルティング事業
設立 1930年(昭和5年)
従業員数 1,086名(2024年3月末現在)

道路建設やアスファルト製品の製造を通じ、社会のインフラを支える東亜道路工業株式会社。2030年に創業100周年を迎える同社では、火気を使用し40℃を超えることもある過酷な現場環境から社員を守るべく、熱中症対策ウォッチ「カナリア」を導入しました。長年取り組んできた環境対策の先にある、個人のバイタル管理に踏み込んだ背景について、関東支社の川口様、横浜工場の小池様、大木様に話を伺いました。

背 景

アスファルトの熱と戦い続けてきた歴史

熱中症対策に本格的に取り組むようになったきっかけを教えてください。

小池 様

弊社は間もなく創業100周年を迎えますが、事業の特性上、常に「熱」との戦いでした。特にここ横浜工場では、アスファルト製造にバーナーを使用するため、夏場の外気温が35℃なら、製造塔の中は40℃〜50℃にまで達します。

大木 様

20年以上前から意識は高く、10年ほど前からは高速道路の工事現場に冷凍車を配備し始めました。 アスファルトの道路上は遮るものがなく、直射日光と地面からの照り返しで強烈な暑さになり、逃げ場がありません。 そのため、外気の影響を完全に遮断して身体を冷やせる空間が必要でした。社員の健康を守る環境作りには投資を惜しみませんでした。

川口 様

WBGT計の設置や塩分タブレットの配布、ファン付きウェアの支給など、その時々の最新の対策は徹底してやりきってきました。 しかし、近年の猛暑は想像を超えており、従来の対策だけでは限界がありました。同じ環境にいても、その日の体調によってリスクは変わります。どうしても防ぎきれない「個人差」という壁に直面していたのです。

導入の決め手

真面目な人ほど限界まで我慢してしまう
だからこそ客観的な指標が必要だった

なぜ、カナリアの導入を決められたのでしょうか。

川口 様

現場の職人さんは責任感が強く、仕事に熱中するあまり「まだ大丈夫」と我慢してしまいがちです。 WBGTは環境管理の基準として不可欠なものですが、あくまで「場所」のリスク評価であり、「その人自身」の刻一刻と変わる状態までは分かりません。そこで、個人のリスクを直接検知できるカナリアが必要だと考えました。

小池 様

「自分は大丈夫」という主観頼みではなく、アラームという「客観的な指標」があれば、本人も周囲も休憩を促す判断がしやすくなります。 WBGTによる「作業環境」の管理に、カナリアによる「個人のバイタル」管理を掛け合わせる。そうして安全管理の網の目を細かくすることで、社員を確実に守れる体制を作ろうと考えたのです。

独自の取り組み

テクノロジーの効果を最大化する
「日頃のコミュニケーション」

東亜道路工業様ならではの運用の特徴はありますか?

大木 様

カナリアを活用する大前提として、日頃のコミュニケーションを大切にしています。毎日の朝礼や昼礼、夕礼で必ず顔を合わせるほか、それ以外のタイミングでも会話を通じて顔色や様子を確認します。


小池 様

例えば、二日酔いや体内にアルコールが残っている状態は脱水を招きやすく、熱中症リスクを大きく高めます。脱水が進むと、体温調節に必要な汗がかけなくなり、結果として体温上昇に繋がってしまうからです。 弊社では、運転者のアルコールチェックの徹底はもとより、作業員に対しても「昨日はしっかり眠れたか」「顔色が赤っぽくないか」といった対面での確認をバロメーターにしています。「今日は少し疲れが見えるから、負担の少ない作業へ変更しよう」というように柔軟に対応しています。

川口 様

コミュニケーションを大切にすることは仕事をする上で当たり前に思えますが、こうした人間同士の気遣いという土台があるからこそ、カナリアが活きるのだと思います。機械任せにするのではなく、お互いに関心を持ち合う社風がある。だからこそ、アラームが鳴った際も「チームのための前向きな休憩」として、周囲も自然に受け入れられています。

導入後の効果・
今後の展望

発症件数が激減
常に最新の対策を取り入れ
「お互いを守り合う」安全文化を広げていく

カナリア導入後の効果はいかがでしたか?

小池 様

当初は装着品が増えることへの懸念も少なからずありましたが、実際は「具合が悪くなる手前で鳴ってくれるので助かる」「水分補給の良いタイミングになる」と好評で、スムーズに受け入れられました。 結果として、横浜工場では昨年の熱中症発症者はゼロでした。関東支社全体で見ても、一昨年は3件ありましたが、昨年は軽微な体調不良が1件あったのみです。

川口 様

今後は、遠隔臨場システムなどのDXも活用しながら、離れた拠点同士でもお互いの安全を見守れるようにしていきたいです。 常に最新の対策にアンテナを張り、テクノロジーの力で「仲間の異変に気づく」文化を広げていく。そうして、社員が安心して働ける環境を作り続けていきます。

まとめ

創業100年を目前にした東亜道路工業では、最新の「カナリア」と、昔ながらの「毎朝の顔合わせとコミュニケーション・アルコールチェック」が見事に融合していました。「真面目な職人が無理をしないように」という想いから始まった客観的データの活用。環境と客観的指標、仲間同士のコミュニケーション。この3つの輪が同社の強固な安全文化を支えています。

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